自分もジーコジャパンについて一言モノ申してみる

最初に申し上げておきますが、私はサッカーに関しては、せいぜい代表戦を見る程度のごく一般的なシロウトに過ぎません。が、最近id:toroneiさんの日記をよく見るようになってから、他のサッカーのテキストサイトも見るようになり、ジーコジャパンに対する様々な批評を目にする内に、自分もなにか一言モノ申してみたくなったわけです。まあ、「あんましサッカー見ていない人はこんな風にジーコジャパンを見ているんだ」ぐらいで読んでいただければ幸いです。
さて、「W杯は、武器を持たない戦争だ」みたいな意見を聞いたことがあります。とすると、代表チームは軍隊、監督は司令官であり、選手たちは兵士、そして試合は戦争という風に例えられると思います。協会は政府といったところでしょうか。戦争には政治・戦略・戦術の3つの段階があって、軍隊(=チーム)が行う戦略・戦術よりも、政府(=協会)が行う政治が最も重要なのですが、そうすると今の協会のやっていることは…と展開してみたいところですが、あいにく私にはそこまでの知識はないのでやめておきます。
では、現場レベルの軍隊において最も重要な要素とは何か?というと、「戦術」「規律」「士気」が真っ先にあげられると思います。いかなる状況においても相手に最大限の損失を与え、見方の被害を最小限に食い止める「戦術」、命令が末端まで正確に行き渡り、一糸乱れぬ行動を可能とする「規律」。よく訓練されて戦う意欲に溢れ、どんな相手にもひるまない「士気」。装備」は?という意見もあるかもしれませんが、どんなに凄い武器でも、それが的確・適切に使われないことには何の役にも立たないので、これは二の次と言っていいでしょう。この3つの要素がしっかりしている軍隊は強いですし、逆に少しでも欠けている軍隊は必ず負けるでしょう。戦術がなければ、行き当たりばったりとなって敵の術中にはまってしまいますし、規律がなければ統率がうまく取れずに作戦行動に支障を来しますし、士気が弱ければすぐに戦意喪失してしまいます。そして、残念ながら、今のジーコジャパンには、この3つの要素がすべて欠けていると思わざるを得ません。
まず「戦術」ですが、これは言うまでもないでしょう。特にシステムとか攻撃パターンがあるわけでもなく、4バックで通すのかと思えばあっさり3バックに変更してみたりと行き当たりばったりです。単に選手の成長を待っているだけで、「俺は日本代表をこんな風にしていきたいんだ」という確固たるビジョンが全く感じられません。次に「規律」ですが、これはほとんど選手任せ。「自主性に任せる」と言えば聞こえはいいですが、放任を通り越して放置ではないか?とも思ってしまいます。ナカタがいるからまだいいですが、いなかったらどうなっていたんでしょうか。自主性に任せるのはいいですが、ある程度の約束事とか方向性をキッチリ示した上でやっていただきたい。最後に「士気」ですが、いみじくもトルシエが「ジーコは15人のスター選手しか見ていない。後の選手はオマケ。」と評したように、選手たちがどんなに頑張っても、「どうせ海外組がレギュラーだろ」みたいな現状ではサブの選手たちのやる気もなかなか起きません。そうしてまともな競争が行われないままメンバーが固定してしまえば、チームからいい意味での緊張感が失われて停滞してしまいます。また、ここ2回連続でW杯に出場したことで、「アジアぐらいは突破できるでしょ」という気持ちが選手にもファンにもどこか心の底にあるような気がして、それが現在の緊張感のなさにつながっているような気がします。そこでファンはもう一度98年の予選の時を思い出し、選手も当時の予選を経験したベテランを入れて魂を注入したいところですが、カズも中山も秋田もいないのでムリでしょう。
これがジーコの故郷であるブラジルであれば、あそこは軍隊で言えば兵士がランボーとか冴羽リョウみたい凄いのがゴロゴロいますから(笑)、司令官がダメでも個人の能力で大丈夫なんですけどね。あるいはみんなサイヤ人とか。とりあえずしっかりチームとしてまとめさえすれば良いわけで。それでも、個々がバラバラでチームとして機能しなければ負けてしまいますが。で、あちらがサイヤ人なら日本はさしずめクリリン天津飯やピッコロといった具合でしょうか。いやいくらなんでもそんな実力差はないですね(笑)。失礼しました。
ところでトルシエの名前が出てきたところで彼の時代を振り返ってみると、これが見事なまでに今のジーコジャパンと正反対で、上記の3つの要素が全部しっかり揃っていたことに気が付くと思います。いろいろと叩かれることが多かった人ですが、やっぱり良い監督だなあと改めて気づかされます。というかジーコがダメすぎるのか。で、私が言いたいのは「トルシエの時代は良かった」としみじみ昔を懐かしむということではなく、シロートから見てもこれだけ問題点があるのだから、ファンやマスコミがもっと声をあげて「今のジーコジャパンは問題だ」という世論を作っていかなければいけないなあということです。最後はちょっと考えが甘いですかね。