オークス感想

レースは予想通りの超スロー。しかし本命シーザリオはまさかの後方待機。スタートは割とまともだったのに、直後に前に蓋をされて、いつの間にかズルズルと後方へと押し込まれてしまった。ディアデラノビアよりも後ろを進むとは思わなかった。この時点で「もうダメか。福永バカヤロー」と思ったが、直線に向いてやや強引に外へ出してからグイグイと伸び、ディアデラノビアと叩き合いを制し、最後は内から抜けだしていたエアメサイアをクビ差捕らえた。この超スローペースの中、後方から外を回っての差し切り勝ちには、着差以上の強さがあり、完勝。今福永騎手のインタビューによると、スタート直後に蓋をしたのは武豊騎手らしい。さすがに抜け目がない(笑)。レース後には福永騎手に笑顔で「今日は負けパターンやぞ」と言ったとか。今日はシーザリオが偉かったということか。

シーザリオ 本来なら完全に負けパターン。それで勝つのだから、力が抜けていたと言うこと。福永騎手がインタビューでしきりに繰り返していたとおり、馬のおかげで勝てた。ただ、後方に下がっても慌てず焦らず、腹をくくって折り合いに専念したことが最後の伸び脚につながっている。圧倒的一番人気という重圧に負けず、最悪の状況の中でも最善の騎乗をした点は評価できるし、「今日は馬に失礼な競馬をした」「この馬にふさわしい騎乗ができるように」「勝てたのは馬のおかげ」という発言にも好感がもてた。

エアメサイア スタート直後でちゃっかりシーザリオに蓋をして、道中も先団馬群をみる絶好の位置取り。追い出しのタイミングも完璧で、これで負けたのだから仕方がない。追ってからやや内にモタれる所が、最後に差となって出てしまったか。これでお母さんに続いて母娘ともどもオークス2着。お母さんのエアデジャヴーは昔POGで持っていたので感慨深いものがあるなあ。

ディアデラノビア 春はかなり厳しいローテだったが、それでここまで頑張るのだから立派。一時は前をまとめて交わすかと思われたが、そこで勝ちきれないのは一連の激戦の疲れなのか実力なのか。

エイシンテンダー 今日一番流れに乗ったのはこの馬。桜花賞でのミスを晴らさんばかりの、コーシロー絶妙な逃げだった。実力は出し切っている。あともうちょっと粘ってくれていたらなあ…。

ブリトン この馬の実力は出ていると思う。次走自己条件ならアッサリ。

アドマイヤメガミ さすがにここでは荷が重かったが、ラスト3Fは3位タイの末脚。外差し有利の馬場の時は今後も注目したい。

しかし、今年の春の牝馬戦線を振り返ると、フィリーズレビューでの序列(1位ラインクラフト、2位デアリングハート、3位エアメサイア、4位ディアデラノビア)がNHKマイルCも含めてそのまま続き、そこにシーザリオが突っ込んでくるという、順当な結果に終わったなあ、と思う。